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お知らせ詳細

-9月開始のマイナポイント事業には期待薄。感染予防対策としては一定の評価も-
中小事業者におけるキャッシュレス決済導入実態調査・第三弾を実施(エキテン総研)

ニュース2020.08.25

株式会社デザインワン・ジャパン(代表取締役社長:高畠靖雄、東証一部 6048)が運営する中小事業者の調査・研究開発部門「エキテン総研」はこのほど、全国の店舗関係者に対して「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入実態調査・第三弾」を実施しました。本調査は2019年7月、12月におこなったキャッシュレス決済導入実態調査の追加調査で、9月に開始されるマイナポイント事業を前に、中小事業者においてキャッシュレス決済の運用実態を調査したものです。その結果をご報告いたします。

■調査結果の概要
全国の中小事業者におけるクレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済などのキャッシュレス決済の導入実態は、「導入している」が62.2%、「導入していない」が37.8%で前回の2019年12月の調査と比べると、ほぼ横ばいという結果になりました。
キャッシュレス決済を導入している店舗へメリットとデメリットを聞くと、1,310店舗中520店舗がメリットとして「新型コロナウイルスの感染対策となった」と回答。一方、1,449店舗中819店舗がデメリットとして「売上が現金化するまでのタイムラグが生じた」と回答しました。

9月よりマイナポイント事業が開始されますが、「お客様のキャッシュレス決済利用を歓迎しますか」という問いに対し、利用を歓迎する、と回答した店舗は4割にとどまりました。

コロナ禍で厳しい中小事業者の経営環境下では、決済手数料というコストがかかったり、現金化にタイムラグが生じるキャッシュレス決済は、あまり利用を歓迎できないという複雑な状況が見て取れる結果となりました。


■調査概要
調査名:中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査・第三弾
対象者:店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・販促担当者
回答数:3,175
調査時期:2020年8月7日~2020年8月11日
調査方法:インターネット調査
調査機関:エキテン総研(株式会社デザインワン・ジャパン)

参考:第一回調査「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査」
   https://www.designone.jp/news/detail?id=73

   第二回調査「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査・第二弾」
   https://www.designone.jp/news/detail?id=94

 ■調査結果
【キャッシュレス決済を導入している店舗】

①キャッシュレス決済を導入して良かった点 / 悪かった点

キャッシュレス決済を導入して良かった点として、「新型コロナウイルスの感染防止策となった」と半数近くの店舗が回答しました。新型コロナウイルスは付着したものに触れても感染するといわれているため、現金のやり取りではなく非接触型決済の利用が感染防止策として多くの店舗から一定の評価を得ていることが分かります。

政府が発表した「新しい生活様式」の中にも、「キャッシュレス決済を利用」という項目が記載されています。withコロナのニューノーマルとして、キャッシュレス決済の定着がうかがえます。

一方、キャッシュレス決済を導入して悪かった点として、「売上が現金化するまでのタイムラグが発生した」と回答した店舗が半数以上となりました。

QRコード決済は、売上金の入金サイクルが最短で翌日のものもありますが、決済ブランドや売上確定処理のタイミングによっては翌月末、もしくは翌々月末に入金するものもあるため、このタイムラグにデメリットを感じている店舗が多くいることがわかります。


②お客様のキャッシュレス決済利用を歓迎しますか

中小事業者においては、6割以上の店舗がキャッシュレス決済を導入しているにも関わらず、そのうち利用を歓迎しているのは半数に満たない、ということがわかります。

お客様のキャッシュレス決済利用を歓迎する、と回答した店舗は、導入して感じているメリットと同じように、「新型コロナウイルスの感染防止策になるから」と回答した店舗が多数となりました。

前回の調査では、「キャッシュレス事業者によるキャンペーンでの集客増」・「キャッシュレス・ポイント還元事業による利用客増」などを期待してキャッシュレス決済を導入している店舗が半数近くにのぼりましたが、今回の調査では、マイナポイント事業が始まることを理由にキャッシュレス決済利用を歓迎する、と回答した店舗は1割程度となりました。

キャッシュレス決済を導入しているにも関わらず、お客様のキャッシュレス決済利用を歓迎しない、もしくはどちらともいえないと回答した店舗は、8割以上の店舗が「手数料などで利益が減ってしまうから」と回答しました。

キャッシュレス決済導入拡大のために各社条件付きで手数料無料キャンペーンなどを実施して導入店舗を増やしましたが、すでに手数料がかかるようになってきている決済ブランドもあります。

お客様の利便性が向上したり、コロナ対策となることは良いことですが、売上規模の小さな中小事業者においては、売上金に対し手数料がかかってくるのは大きなデメリットになるようです。

 

【キャッシュレス決済を導入していない店舗】
①今後、キャッシュレス決済を導入したいと考えていますか

キャッシュレス決済を導入していない店舗に対して今後の導入意向を聞いたところ、「導入する気はない」が55.9%という結果に。一方、40%は導入について一定程度、前向きな意向を示しています。

少数ですが、「一度は導入したが、やめた」と回答した店舗が4.2%となり、前回の調査から1ポイント増えました。


②キャッシュレス決済導入の障壁


キャッシュレス決済導入の障壁としては、「加盟店手数料」「導入コスト」「運用コスト(端末)」が多数を占め、前回調査と同じ結果となりました。


③キャッシュレス決済をやめた理由

キャッシュレス決済を一度は導入し、やめた、と回答した店舗に理由を聞くと、「加盟店手数料の負担が大きかったから」「思ったよりも集客につながらなかったから」と回答した店舗が多数となりました。

加盟店手数料の負担については、前述の設問で多くの店舗が感じているデメリットと同じでした。キャッシュレス決済を導入しても集客につながらなかった理由としては、オリンピックの延期や訪日外国人の減少なども少なからず影響しているのかもしれません。

 

【フリーコメントの一部】
以下では、各設問のフリーコメントの一部を抜粋してご紹介します。前回調査のフリーコメントと比較すると、「お客様の利便性が向上した」という内容のコメントをする店舗が多い一方、「還元事業やキャンペーンが終了し手数料で利益を圧迫している」という内容のコメントも多くなりました。

  • キャッシュレス決済は海外の方を中心に利用される方が多い。国内の方もコロナ後は利用される方が増えた。(静岡県/美術館)
  • 新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で作品のネット売り上げが増えた。(三重県/フラワーアレンジメント教室)
  • 消費者には嬉しいかもしれないですが、経営者にとっては手数料がもったいない。経理も面倒になった。(宮城県/整体院)
  • 新規客がお店選びをする際に、まずキャッシュレス導入店かどうかで選別しているように感じている(群馬県/理容室)
  • 今後、手数料がかかるようになったら、取り扱いの中止を考える。(和歌山県/整体院)
  • 手数料を引かれるので実質売上減少につながった。(鹿児島県/パソコンショップ)
  • 各決済事業者で色々なキャンペーンを打ち出しています。お得なキャンペーンの話題でお客様と会話も弾みますし、喜んでくださるので良かったと思います(福島県/理容室)

※グラフ内の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない場合があります。
※本調査の内容ならびにグラフなどを紙面や映像、サイトなどに掲載する際は、「エキテン総研調べ」と明記してください。


【エキテン総研について】 
株式会社デザインワン・ジャパンが運営する店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」には、リラク・ボディケア、ヘアサロン、クリニック、グルメなど、オールジャンルの店舗・施設の情報が約481万店※分掲載されています。エキテン総研では、エキテン掲載店舗への調査を実施し、中小事業者の店舗運営や経営についてのトレンドや課題を抽出・研究しています。※2020年2月末現在。

 

【本件に関する報道関係者様のお問い合わせ先】
株式会社デザインワン・ジャパン サービス広報担当
TEL:03-6908-7820   FAX:03-6421-7463  Mail:pr@designone.jp 

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